メモ
Aは他人の心が読める少女 透視もできるエスパー
幼い頃は神童と言われたが就学すると気味悪がられいじめられる
他人の心を迂闊に読まないよう、読んでしまっても狼狽えないよう、必死で意識してやり過ごす癖がつく
中学も2年に上がり、Aの能力を知る者はいなくなった……が、どこから聞いたのか見知らぬクラスメイトに「オマエテストの答案透視とかしてんのかよ~」などと根も葉もない事を吹聴される
動揺したAだが、「そんなの噂だろ、エスパーとか信じてんの?」 と軽く流す
だが動揺が落ち着くことはなく助けを求めるかのように教室中に目を滑らせる
すると美少女と目があった
こちらを見ている美少女。Aは思う
(あ、かわいい……)
それと同時にAの自制心がきかなくなる。美少女の思念がAに流れ込んでくる
Aは思う
やめろ。こわい。またバケモノを見るような目で見るんだろう。エスパーなんてどうかしてる。あの子の心を見てはいけない。だめだ、だめだ、だめだ
しかしするすると美少女の思念はAに流れ
「テストカンニング?」「透視で!?」「透視、かあ……」「ほんとなのかな」「気になる」「話しかけてみようかな」
AとBが惹かれあう瞬間だった
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時は流れる
BはAの能力を認めていた。尊敬していたのだ、ひとりの友人として
AはBを愛していた、たったひとり己を受け入れてくれる存在だと感じているからだ
しかしそれは表には出さない
友人、その関係が最も適切だとAは考えていた
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あるとき、Bの様子がおかしい事があった
心配こそしたが、AはBがなぜ悩んでいるのか透視することはなかった
どんなことであろうとAから干渉はしない。Bから話してくれることを望んでいたし、それが正しいと思っていたからだ。
そうしてBは行方不明になった
Aは大変に後悔した
「あのとき、Bを視ていれば……」
しかし、3日後、ケロっとした顔でBが帰ってきた
Aにはなにも言わない
しかしAは視てしまった
Bが行方不明になっていた間の事を
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Aは警察に出頭した
人間を殺したと供述したのだ
場所、凶器の形状、被害者の特徴等すべてを話した
視たままを話した
ただひとつ、その場にBがいたことだけは話さなかった
AはBを愛している